神経精神科

後期研修プログラム

理念・特徴

理念

精神保健福祉法に基づいて精神疾患を有する患者の診療を行い、人権に配慮した精神医療を習得する。

特徴

聖マリアンナ医科大学神経精神科は、平成28年1月に精神病理学を専門とする古茶大樹教授が就任し、これまでの反省と教訓を活かしながら法令遵守と倫理教育を重視している。スタッフ一同協調的で教育と診療に大変熱心であり、「愛ある医療を実践する」点が最大の特色である。診療教育面では、純粋精神医学に根差した臨床と教育に基づく臨床家の育成を目指した唯一の大学病院である。診療研究面では、精神疾患に特化した3つの治療研究センター、すなわち「認知症(老年精神疾患)治療研究センター」、「統合失調症治療センター」、「精神療法・ストレスケアセンター」を有し、各領域のエキスパートを中心に特殊外来や研究活動を行っている。
「認知症(老年精神疾患)治療研究センター」では「認知症診断外来」を開設しており、「聖マリアンナ医大式コンピューター化記憶機能検査(STM-COMET)」による認知症の早期診断のほか、治療介入の評価や、音楽専門家の指導による患者さんと家族によるコーラス活動「フロイデンコーア」、家族のための「認知症はじめて講座」などを行なっている。「統合失調症治療センター」では、精神病の発症予防、早期発見と早期治療を目的に、「MEET外来」を開設している。また難治性の統合失調症に対するクロザピン治療や新しい治療法も試みている。「精神療法・ストレスケアセンター」は、精神分析や力動的精神療法を中心とした「精神療法セミナー」を定期的に開催し、症例検討などを実施している。
病棟は48床の閉鎖病棟で、特定機能病院の中の精神科病棟として、急性期の治療や難度の高い病態の診断や治療、ならびに精神障害に合併した身体疾患の急性期治療を身体診療各科と協力して行っている。また高齢者や身体的ハイリスク患者、薬物治療抵抗性のうつ病や統合失調症に対する修正型電気けいれん療法(m-ECT)を多数行っている。物忘れや認知症の一日検査入院も実施している。
後期臨床研修医は入院患者の担当医となり、指導医の指導を受けながら、看護師、臨床心理士、ソーシャルワーカーらとチームを組み、各種精神疾患に対し生物学的検査・心理検査を行い、薬物療法、精神療法、m-ECTなどの治療を柔軟に組み合わせ、最善の治療を行っていく。リエゾン・コンサルテーションも積極的に行っており、せん妄への対応など、大学病院ならではの症例を多く体験できる。研修の過程で、ほとんどの精神疾患の診断と治療についての基礎的な知識を身につけることが可能である。

プログラムの特色

研修施設として、聖マリアンナ医科大学病院、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院、川崎市立多摩病院、専門医研修連携施設として、あさひの丘病院、長谷川病院、都立松沢病院、横手興生病院、他に関連教育病院がある。専攻医はこれらの施設をローテートしながら研鑽を積み、精神科医としての実力を向上させつつ、専門医を獲得することが可能である。
基幹病院である聖マリアンナ医科大学病院神経精神科の特徴は前述のとおりである。聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院神経精神科は、日本認知症学会専門医教育施設のため、初診の半数が認知症という特徴を有する。あさひの丘病院は、神奈川県での民間病院では初のスーパー救急病棟を有しており、本格的な精神科救急医療を経験できる。長谷川病院は、精神科救急病棟の他にアルコール専門治療病棟や認知症治療病棟があり、大学病院では経験しにくい症例も研修可能である。あさひの丘病院と長谷川病院は、地域の中核を担う精神科病院であり、地域医療や地域連携について研修できる。横手興生病院は、秋田県精神科救急医療の県南地域拠点病院かつ医療観察法に基づく「鑑定入院医療機関」および「指定通院医療機関」に認定されており、精神科救急と医療観察制度を経験できる。東京都立松沢病院は、東京都の行政精神科医療等で中核的な役割を担っている精神科病院である。800床の精神科病床と身体合併症入院病床も有する。精神科救急医療、急性期医療、身体合併症医療、社会復帰・リハビリテーション医療、青年期医療、認知症医療、アルコール・薬物医療、医療観察法病棟の他、デイケア、精神科作業療法等を行っている。精神科領域のほとんどの疾患を経験することができ、措置入院や医療観察法入院を含め、すべての入院形態の症例を扱っている。なお、本人の希望に応じて、今回記載した連携施設以外の関連教育病院(精神科専門医制度における専門医が在籍)での研修も可能である。

研修病院

聖マリアンナ医科大学病院、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院、川崎市立多摩病院、
専門医研修連携施設として、あさひの丘病院、長谷川病院、都立松沢病院、横手興生病院、
関連教育病院あり(平成29年4月現在、30施設)

プログラム責任者・指導医

募集人数:5
プログラム全体の指導医数:9

ローテーションプログラム例

1.専門医研修コース(3年間)
初期臨床研修修了後、聖マリアンナ医科大学大学病院および教育関連病院で臨床経験を積みながら、専門医の取得を目指したいという方。
2.大学院コース(4年間)
初期・後期臨床研修修了後もしくは専門医取得後、大学病院(本院)で臨床経験を積みながら、学位取得(研究活動)を目指したいという方。

到達目標

専門医研修コース到達目標
1年目:基幹病院で、指導医と一緒に統合失調症、気分障害、器質性精神障害の患者などを受け持ち、面接の仕方、診断と治療計画、必要な検査、薬物療法及び精神療法の基本を学ぶ。特に、面接によって情報を抽出し診断に結びつけるとともに、良好な治療関係を構築し維持することを学ぶ。また、外来初診患者の予診をとり、初診医の診察を見学する。さらに、修正型電気けいれん療法とリエゾン・コンサルテーション精神医学を経験する。精神療法の習得を目指し、認知行動療法、精神分析・力動的精神療法のカンファレンスやセミナーに参加する。定期的に開催する院内抄読会や症例検討会、入院患者のカンファレンス、関連診療科との定期的な症例検討会、研究会、学会などで発表・討論する。

2年目:基幹病院または連携病院で、指導医の指導を受けつつ、自立して面接ができるよう技術を向上させる。診断と治療計画の能力を充実させ、薬物療法の技法を向上させる。精神療法として、認知行動療法と力動的精神療法の基本的考え方と技法を学ぶ。精神科救急に従事して対応の仕方を学ぶ。神経症性障害および種々の依存症患者の診断・治療を経験する。引き続き精神療法の修練を行う。院内抄読会や症例検討会、プログラム全体でのカンファレンス、研究会や学会で発表・討論する。

3年目:指導医から自立して診療できるようにする。連携病院はより幅広い選択肢の中から専攻医の志向を考慮して選択する。認知行動療法や力動的精神療法を上級者の指導の下に実践する。心理社会的療法、精神科リハビリテーション・地域精神医療等を学ぶ。児童・思春期精神障害およびパーソナリティ障害の診断・治療を経験する。国内の学会・研究会などで積極的に症例発表し論文化する。

評価

3ヵ月ごとに、カリキュラムに基づいたプログラムの進行状況を専攻医と指導医が確認し、その後の研修方法を定め、研修プログラム管理委員会に提出する。
研修目標の達成度を、当該研修施設の指導責任者と専攻医がそれぞれ6ヵ月ごとに評価し、フィードバックする。
当該研修施設の指導責任者は、専攻医の知識、技術、態度の評価に関して、メディカルスタッフの意見も参考にする。
1年後に1年間のプログラムの進行状況並びに研修目標の達成度を指導責任者が確認し、次年度の研修計画を作成する。また、その結果を統括責任者に提出する。
その際の専攻医の研修実績および評価には、研修記録簿/システムを用いる。
「研修記録簿」に研修実績を記載し、指導医による形成的評価、フィードバックを受ける。総括的評価は、精神科研修カリキュラムに則り、少なくとも年1回行う。
専攻医研修実績記録
「研修記録簿」に研修実績を記録し、一定の経験を積むごとに専攻医自身が形成的評価を行い記録する。少なくとも年に1回は形成的評価により、指定された研修項目を年次ごとの達成目標に従って、各分野の形成的自己評価を行う。研修を終了しようとする年度末には、総括的評価により評価が行われる。
指導医による指導とフィードバックの記録
専攻医自身が自分の達成度評価を行い、指導医も形成的評価を行い記録する。評価者は「劣る」、「やや劣る」の評価をつけた項目については、必ず改善のためのフィードバックを行い記録し、翌年度の研修に役立たせる。

修了基準および修了判定

3年間の研修終了前に、プログラム管理委員会において、専攻医の知識、技能、態度それぞれについて評価を行い、総合的に修了を判定する。ただし、知識、技能、態度の中に不可の項目がある場合は修了とみなされない。

認定医・専門医の取得

精神保健指定医、日本精神神経学会、日本老年精神医学会、日本総合病院精神医学会

学位取得

可能

研究活動

1.統合失調症に対する早期介入研究。
2.アルツハイマー型認知症の早期診断および認知機能の変化についての研究。
3.電気けいれん療法についての研究。
4.双極性障害における時計遺伝子と睡眠との関係についての研究。など

学会、研究会など(国内学会、国際学会)

日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、日本老年精神医学会、CINP(Collegium Internationale Neuro-Psychopharmacologium)、Neuroscienceなどの国内外の学会に参加して発表する。精神療法・ストレスケアセンターの勉強会(年10回)や、多摩田園臨床精神医学研究会(年5回)なども開催される。

ホームページ・資料請求・問合せ先

毎年7月頃に説明会を開催しているので、お気軽にお問い合わせください。
ホームページ:https://www.marianna-psychiatry.com
〒216-8511 神奈川県川崎市宮前区菅生2-16-1
電話:044-977-8111  ファックス:044-976-3341
E-mail:neuropsychiatry@marianna-u.ac.jp