消化器・一般外科

後期研修プログラム


診療部長 大坪毅人

理念・特徴

理念

MindとSkillを兼ね備えた医師を育成する事(プライマリケアの出来る外科専門医を育成)

特徴

後期臨床研修(4年間)のその後につながる基本的な手術手技、検査、術後管理の習得が目標である。消化器一般外科は下記の4つの病院から構成されており、年間2,500件の手術を行っている。内容は外傷救急からヘルニア、虫垂炎等のcommon disease、さらには上部下部消化管肝胆膵癌の腹腔鏡手術や高難度手術まで幅広く経験する事が出来る。
外科専門医取得にあたっては経験しなければならないすべての手術症例を関連病院に出張する事無く、指導医の豊富な大学病院で経験を積む事ができる。

研修病院

聖マリアンナ医科大学病院、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院、聖マリアンナ医科大学東横病院
川崎市立多摩病院

プログラム統括責任者、指導医

統括責任者: 大坪毅人
指導医 : 大学病院: 民上真也、牧角良二、小泉 哲、朝野隆之
西部病院: 國場幸均、田中圭一
東横病院: 宮島伸宜、佐々木貴浩
多摩病院: 朝倉武士、四万村 司

ローテーションプログラム例

消化器・一般外科:9ヶ月、心臓血管外科:3ヶ月、呼吸器外科:3ヶ月、小児外科:3ヶ月、
乳腺内分泌外科:3ヶ月、救命・救急:3ヶ月、消化器・一般外科: 24ヶ月

到達目標

資格として、任期付助教は4年間で外科専門医取得をめざす。大学院生は学位を取得する。学位のテーマは臨床的なものあるいは基礎的なのものいずれかを選ぶ。基礎的なテーマを選択した場合は一定期間(1年間)ベッドフリーとして研究に専念する。

一般目標

(1)外科専門医として、適切な外科の臨床的判断能力と問題解決能力を修得する。
(2)手術を適切に実施できる能力を修得する。
(3)医の倫理に配慮し、外科診療を行う上での適切な態度と習慣を身に付ける。
(4)外科学の進歩に合わせた生涯学習を行うための方略の基本を修得する。

行動目標

一定レベルの手術を適切に実施できる能力を修得し、その臨床応用ができる。外科学会専門医取得のために必要な手術経験のうち下記領域の手術を実施することができる。括弧内の数字は術者または助手として経験できる各領域の手術手技の最低症例数を示す。
①消化管および腹部内臓(50例以上)
②外傷(多発外傷を含む)(10例以上)
上記分野における内視鏡手術(腹腔鏡・胸腔鏡を含む)(10例以上)

評価

手術に関しては手術中の指導、手術後の手術記録および自己の振り返り評価シートにより行う。

基本手技の習得

外科専門医取得のための基本手技のうち以下の項目について習得できる。
1. 外科診療に必要な下記の基礎的知識を習熟し、臨床応用できる。
(1)局所解剖:手術をはじめとする外科診療上で必要な局所解剖について述べることができる。
(2)腫瘍学
①発癌、転移形成および TNM 分類について述べることができる。
②手術、化学療法および放射線療法の適応を述べることができる。
③抗癌剤と放射線療法の合併症について理解している。
(3)病態生理
①周術期管理などに必要な病態生理を理解している。
②手術侵襲の大きさと手術のリスクを判断することができる。
(4)輸液・輸血:周術期・外傷患者に対する輸液・輸血について述べることができる。
(5)血液凝固と線溶現象
①出血傾向を鑑別できる。
②血栓症の予防、診断および治療の方法について述べることができる。
(6)栄養・代謝学
①病態や疾患に応じた必要熱量を計算し、適切な経腸、経静脈栄養剤の投与、管理について述べることができる。
②外傷、手術などの侵襲に対する生体反応と代謝の変化を理解できる。
(7)感染症
①臓器特有、あるいは疾病特有の細菌の知識を持ち、抗生物質を適切に選択することができる。
②術後発熱の鑑別診断ができる。
③抗生物質による有害事象(合併症)を理解できる。
(8)免疫学
①アナフィラキシーショックを理解できる。
②GVHD の予防、診断および治療方法について述べることができる。
(9)創傷治癒:創傷治癒の基本を述べることができる。
(10)周術期の管理:病態別の検査計画、治療計画を立てることができる。

2.外科診療に必要な検査・処置・麻酔手技に習熟し、それらの臨床応用ができる。
(1)下記の検査手技ができる。
①超音波診断:自身で実施し、病態を診断できる。
②エックス線単純撮影、CT、MRI:適応を決定し,読影することができる。
③上・下部消化管造影、血管造影等:適応を決定し、読影することができる。
④内視鏡検査:上・下部消化管内視鏡検査、術中胆道鏡検査、ERCP 等の必要性を判断することができる。
(2)周術期管理ができる。
①術後疼痛管理の重要性を理解し、これを行うことができる。
②周術期の補正輸液と維持療法を行うことができる。
③輸血量を決定し、成分輸血を指示できる。
④出血傾向に対処できる。
⑤血栓症の治療について述べることができる。
⑥経腸栄養の投与と管理ができる。
⑦抗菌性抗生物質の適正な使用ができる。
⑧抗菌性抗生物質の有害事象に対処できる。
⑨デブリードマン、
開およびドレナージを適切にできる。
(3)外傷の診断・治療ができる。
①すべての専門領域の外傷の初期治療ができる。
②多発外傷における治療の優先度を判断し、トリアージを行うことができる。
③緊急手術の適応を判断し、それに対処することができる。
(4)以下の手技を含む外科的クリティカルケアができる。
①心肺蘇生法―ALS(気管挿管、直流除細動を含む)
②動脈穿刺
③中心静脈カテーテルの挿入とそれによる循環管理
④レスピレータによる呼吸管理
⑤ショックの診断と原因別治療(輸液,輸血,成分輸血,薬物療法を含む)
⑥ DIC、SIRS、CARS、MOF の診断と治療
⑦抗癌剤と放射線療法の有害事象に対処することができる
(5)外科系サブスペシャルティの分野の初期治療ができ、かつ、専門医への転送の必要性を判断することができる。

3.十分なコミュニケーション能力を身につける。
(1) 症例のプレゼンテーションが出来る。
(2) 患者および家族に必要十分なinformed consentを行う事ができる。

これらの基本手技を習得するため日常診療のon job trainingの他、off job training として以下の事を行っている。
(1) 動物実験による腹腔鏡手術トレーニング
(2) 糸結び大会
(3) ミニレクチャー
English Seminar英語によるプレゼンテーションのトレーニング

認定医・専門医の取得

後期臨床研修において
外科学会専門医(日本外科学会)
後期臨床研修後
外科指導医(日本外科学会)
消化器外科専門医・指導医(日本消化器外科学会)
内視鏡専門医・指導医(日本内視鏡外科学会)
消化器病学会専門医(日本消化器病学会)
肝胆膵外科高度技能指導医・専門医(日本肝胆膵外科学会)
大腸肛門病指導医(日本大腸肛門病学会)
内視鏡外科技術認定医(日本内視鏡外科学会)
胃腸科認定医(日本消化管学会)
がん治療認定医(日本癌治療認定医機構)
インフェクションコントロールドクター(ICD制度協議会)
Instructor Advanced Trauma Operative Management Course

診療実績

2016年聖マリアンナ医科大学法人4病院手術件数
総数:2327件、食道手術:25件、胃手術:162件、大腸手術:544件、肝臓手術69件、膵臓手術50件、胆道手術412件、その他1065件

研究活動

手術に必要な解剖に関する研究(動脈、胆管)、疼痛の定量化に関する研究、胃分泌ホルモンに関する研究、抗がん剤感受性における高圧酸素の影響

学会、研究会など(国内学会、国際学会)

2016年度
国内学会・研究会発表145回、国際学会発表20回、著書1編、原著論文8編、症例報告12編

進路

消化器・一般外科の進路は手術あるいは研究を追求する大学人から地域医療に貢献する開業医まで様々である。消化器外科専門医取得後は上部消化管、下部消化管、肝胆膵の内サブスペシャルを決めて腹腔鏡手術や高難度手術のskillを極めるのも一つの方向である。また、修練期間中に学ぶ内視鏡検査や超音波検査の手技の習得は勿論のこと、日常よく遭遇する軽度の外傷に対する対応や、急性腹症など緊急性を要する病態を判断できる能力は開業医としてやっていく十分な助けになると思われる。
後期臨床研修開始時あるいは終了時によく相談をして、それぞれの人生設計にあった研修を組むようにしている。

ホームページ・資料請求・問合せ先

〒216-8511 川崎市宮前区菅生2-16-1
聖マリアンナ医科大学 消化器・一般外科医局
www.marianna-u.ac.jp/stmsurgery/index.html