耳鼻咽喉科

後期研修プログラム


診療部長 肥塚 泉

理念・特徴

理念

耳鼻咽喉科は聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚、呼吸、嚥下、音声、言語と多種多様の役割をもつ臓器を扱い、その疾患も多岐にわたる。常に患者への利益を最優先に考え、そのために必要な臨床知識を獲得し、手技を研鑽、そしてこれらを還元することができる医師を育成する。

特徴

聖マリアンナ医科大学における、卒後初期臨床研修(2年間)を修了後、耳鼻咽喉科・頭頸部外科臨床医の養成を目的とする4年間の臨床研修プログラムである。日本耳鼻咽喉科学会の専門医制度では、初期臨床研修2年間修了後、4年間の耳鼻咽喉科研修後に専門医試験を受験することができる。耳鼻咽喉科入局後4年間に、耳鼻咽喉科全般の診療を習得できる体制を整え、専門医の取得を第一の目標としている。専門医習得後も、個人の臨床レベルの向上を目指した専門教育を行っている。さらに臨床に還元できる基礎研究を望む医師には大学院コースも併せて提供する。

聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科学教室
聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科学教室は、平成28年度に開講45年を迎えた。現在は肥塚泉教授を中心に、これまで培われた伝統と最新の知見を元に診療、研究、教育に励んでいる。私たち聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科は、まず「オールマイティ」である、ということを臨床面での特徴としており、めまいやアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎や喉頭癌など、耳鼻咽喉科領域全般にわたって、高い診療レベルを有していると私どもは自負している。研究に関しては、平衡覚を中心に、中耳再生医療や聴覚、分子生物学など分野を中心に行っている。

複数の施設で様々な症例を経験することができる
当教室では聖マリアンナ医科大学病院(以下大学病院と略す)を専門研修基幹施設とし、付属病院である聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院(以下横浜市西部病院と略す)、川崎市立多摩病院、国立病院機構横浜医療センター、横浜総合病院の4施設を専門研修連携施設とし、各々が強固な連携のもとに特徴のある診療を行っている。大学病院は神奈川県川崎市に位置し、川崎市北西部では数少ない大規模な医療施設ており、地域医療の中核を担いつつ、特定機能病院として先進医療を含む高度な医療を提供している。大学病院には平衡、耳科、鼻科、咽喉頭、頭頸部腫瘍とそれぞれを専門にした指導医がおり、耳鼻咽喉科疾患を幅広くかつ専門性高く経験することができ、また希少疾患や難易度の高い手術症例も経験することが可能。専門研修連携施設では耳鼻咽喉科が扱うcommon diseaseや基本的な手術手技を数多く経験することができ、また地域の中核病院としての専門医療や地域連携について学ぶことが可能です。専攻医は大学病院の専門2チーム、付属病院4施設を4年間かけてローテートし、専門医に必要な疾患をもれることなく経験できる。また希望があれば他大学(東京慈恵会医科大学附属病院)やがん専門施設への国内留学も可能。

研修病院

(1) 専門研修基幹施設 聖マリアンナ医科大学病院
所在地:川崎市宮前区
病床数:1208床
平成26年度年間手術件数:1059件
指導管理責任者:肥塚 泉(診療部長;平衡、耳科)
指導医:谷口雄一郎(准教授;耳科、鼻科)
宮本康裕(講師;鼻科、耳科、平衡)
赤澤吉弘(講師;頭頸部腫瘍、咽喉頭)
春日井滋(講師;咽喉頭、頭頸部腫瘍)

(2) 専門研修連携施設 横浜市西部病院
所在地:横浜市旭区
病床数:518床
平成26年度年間手術件数:244件
指導管理責任者:岡田智幸(准教授;平衡)
指導医:中村 学(助教;平衡、耳鼻咽喉科一般)

(3) 専門研修連携施設:川崎市立多摩病院
所在地:川崎市多摩区
病床数:376床
平成26年度年間手術件数:215件
指導管理責任者:晝間 清(准教授;平衡、頭頸部腫瘍)

(4)専門研修連携施設:東京慈恵会医科大学附属病院
所在地:東京都港区
病床数:1075床
平成26年度年間手術件数:3420件
指導管理責任者:小島博己(診療部長;耳科)

(5)専門研修連携施設:国立病院機構横浜医療センター
所在地:横浜市戸塚区
病床数:510床
指導管理責任者:佐々木祐幸(講師;平衡、耳科、鼻科)

(6) 専門研修連携施設:横浜総合病院
所在地:横浜市青葉区
病床数:300床
指導管理責任者:田中泰彦(講師;耳鼻咽喉科一般)

プログラム統括責任者、指導医

統括責任者:肥塚 泉
指導医:肥塚 泉、岡田智幸、谷口雄一郎、宮本康裕、中村 学、赤達吉弘、
田中泰彦、春日井 滋、深津雅彦、三上公志、斎藤善光

ローテーションプログラム例

研修開始後に耳鼻咽喉科臨床医としての基礎と基本を身につけてもらうため、各専門診療チーム(平成26年度現在、「耳・鼻・平衡・顔面神経・急性疾患班」、「頭頸部腫傷班」の2チーム)の一員として外来・病棟業務・手術・術後管理まで行動を共にしていただく。このチームをローテーションすることによって耳鼻咽喉科各分野の診療手技の習得を進めながら、耳鼻咽喉科臨床医としての基本業務を身につける。
また、大学院コースとして大学院に入学していただき、臨床研修、もしくは当該分野基礎研究を開始する。大学院4年のうち2年間を基礎研究期間とし、残りの2年間は臨床研修と平行して論文を作成する。また本人の希望があれば、他大学(国内、国外)の教室に出向し研究することもできる。
身分は聖マリアンナ医科大学大学院生もしくは任期付助教である。

①スタンダードコース
専門研修基幹施設である聖マリアンナ医科大学病院には耳科・鼻科・咽頭・平衡・顔面神経・急性期疾患を中心に診療するAチームと音声・喉頭・頭頸部腫瘍を中心に診療するBチームがある。専攻医はAまたはBチームの一員として病棟業務、手術、術後管理、カンファランスの参加など指導医や上級医と行動を共にする。一定期間経過した時点で外来も担当することとなる。大学病院2チームと専門研修連携施設を半年から1年毎にローテートすることによって、日本耳鼻咽喉科学会が研修カリキュラムで定めた症例や手術を経験する。 また、日本耳鼻咽喉科認定学会において年に1回以上学会発表を行い、また筆頭著者として学術雑誌に研修中の4年間に1編以上の原著論文執筆・公表を行う。学会や講習会、セミナーなどにも専攻医が積極的に参加できるように医局としてバックアップする体制が整えられている。
研修中の身分は任期付助教であり基本給の他、各種手当と賞与が支給され、別に外勤があてられる。また冬季休暇、夏季休暇を取得できる。

②大学院進学コース
大学院進学を希望する者は、大学院の入学考査に合格する必要があり、この時の身分は診療助手である。大学院入学にあたっての学費は自己負担とする。本学では大学院生に対しても給与が支給され、その基本給は一律月額124,500円であり(ベッドフリーは?)、通勤手当及び宿日直手当、賞与も支給される。またスタンダードコースの任期付助教と同様に外勤があてられるため、金銭的な面をあまり気にすることなく、研究や臨床に従事することが可能である。
通常は臨床研修(スタンダードコースに準拠)と並行して研究・論文作成を行うが、ベッドフリー期間の取得など個々の希望に可能な限り添えるようなコースを組むため医局長と相談の上、最適なコースが決定される。学会規定により、大学院通学中にも一定量の臨床に携わる場合には、研修期間としてカウントされるが、臨床から完全に離れて大学院で学ぶ場合には、研修休止の扱いとなり、プログラム復帰時は休止時点から再開となる。
留学に関しては、当教室では国内および海外留学いずれも可能である。基本期間は2 年で、その期間の研修プログラムは中断の扱いとなる。ただし、学会規定により一定量臨床に携わっている場合には研修期間としてカウントされる。また、留学へ派遣できる人数には限りがあるため、留学時期や行先は要相談となる。プログラム中断と復帰に関する詳細は「15.専門研修の休止・中断、プログラム移動、 プログラム外研修の条件」を参照のこと。

③国内留学コース
スタンダードコースに準じて研修を行う中で、手術症例数が目標に満たない場合や専攻医の希望により連携施設である東京慈恵会医科大学附属病院で3か月?から1年間、研修を受けることが可能である。国内留学中の研修内容については東京慈恵会医科大学附属病院のプログラムに準ずる。

【研修コース例(スタンダードコース)】

1年目

2年目

3年目

4年目

5年目

大学病院

Aチーム

大学病院

Bチーム

横浜市西部病院

横浜医療センター

専門医取得

【研修コース例(大学院進学コース)】

1年目

2年目

3年目

4年目

5年目

大学病院

Aチーム

大学院・研究

横浜総合病院

大学院・研究

川崎市立多摩病院

大学院・研究

大学病院

Bチーム

大学院・論文作成・学位取得

専門医取得

【研修コース例(国内留学コース)】

1年目

2年目

3年目

4年目

5年目

大学病院

Bチーム

大学病院

Aチーム

慈恵大学病院

3か月から1年)

横浜市西部病院

専門医取得

到達目標

耳鼻咽喉科の基礎的な知識と診察手技を修得し、プライマリ・ケアを含む耳鼻咽喉科の基礎的診療を行う能力を身につける。また、耳鼻咽喉科・頭頸部外科の基本的手技を修得する。

一般目標

(1)耳鼻咽喉科専門医に求められる診察に必要な知識と診療および検査手技を身につける。
(2)耳鼻咽喉科の基本的手術に関する意義、原理を理解し、適応を決める。手術手技および手術前後の管理を習得する。

行動目標

(1)耳鼻咽喉科領域の解剖・生理を理解する。
(2)外来診療の習得
1年度 耳鼻咽喉科領域の視診・処置・画像診断
2年度 外来救急処置、侵襲的処置、簡単な異物除去
3年度 鼓膜切開、直視下、内視鏡下病理組織採取
4年度 特殊外来(めまい、鼻・副鼻腔・アレルギー、頭頸部腫瘍等)、手術適応の決定
(3)検査法の習得・評価判定
1年度 聴力検査、平衡機能検査、鼻アレルギー検査、嗅覚検査など
2年度 静脈性嗅覚検査、顔面神経機能検査、嚥下機能検査
3年度 特殊な聴覚検査
4年度 聴性脳幹反応、ENG、蝸電図、補聴器適合、HIT、VEMP
(4)耳鼻咽喉科手術の習得
1年度 アデノイド切除術、口蓋扁桃摘出術、鼓膜切開術、鼓膜換気チューブ留置術、下甲介切除術
2年度 鼻中隔彎曲矯正術、鼻骨骨折整復術、鼻茸切除術、気管切開術、頸部リンパ節生検・摘出
3年度 上顎洞手術、喉頭微細手術、皮下良性腫傷摘出術、先天性耳瘻孔摘出術、唾石摘出術(口内法)
4年度 鼓膜形成術、内視鏡下鼻副鼻腔手術、唾液腺摘出術、気管食道異物摘出術、鼓室形成術、甲状腺摘出術、頸部郭清術

評価

後期研修医は随時自己評価を行い、専門医の資格を持つ指導医が到達度を適宜チェックし、評価する。研修修了時に統括責任者がプログラム修了の認定を行う。

基本手技の習得

咽頭培養、気道管理:気管切開(輪状甲状間膜切開)、耳垢除去、鼻出血処置

認定医、専門医の取得

日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医、日本めまい平衡医学会専門会員、日本めまい平衡医学会めまい相談医、日本気管食道科学会専門医、日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医

診療実績

一般診療に加え、様々な部位に生じる多種多様の疾患に対応すべく、「めまい外来」、「聴覚・蝸電図外来」、「鼻・副鼻腔・アレルギー外来」、「喉頭・音声外来」、「頭頸部・腫瘍外来」があり、部位や疾患のエキスパートによる専門外来を実施している。
めまいについては当科の特徴であり、めまい疾患全般についての診断および治療はもちろん、良性発作性頭位めまい症に対する理学療法、難治性メニエール病に対する中耳換気チューブ留置術や内リンパ嚢開放術などの外科治療も積極的に行っている。

研究活動

前庭代償の完成を速める独自のリハビリテーションや、めまい平衡機能の客観的評価方の検討、メニエール病に対してのゲンタマイシン鼓室内注入法(shot-gun法)、その効果判定のアンケート評価を行っている。また、他施設にない特殊な回転椅子を用いて耳石機能検査が可能であることを生かし、OVAR(off-vertical axis rotation)に独自の刺激を与え、前庭代償と体性感覚の関連性を見る臨床実験を行なっている。
良性発作性頭位めまい症に対してはEpley法、Semont法、Lempert法などの一般的な耳石置換療法だけではなく、Brandt-Daroff法やROM(rolling-over maneuver)法を指導している。基礎研究としては7テスラMRIによるマウス内耳微細構造の観察やめまいモデルを用いた前庭代償の分子生物学的な解析を行なっている。

臨床のみでなく学会発表や原著論文作成にも力を入れています。専攻医は日本耳鼻咽喉科学会あるいは日本耳鼻咽喉科学会に関連する学会において、年に1回以上発表を行い、また筆頭著者として学術雑誌に、研修中の4年間に1編以上の論文執筆・公表を行うよう指導します。大学院入学を希望した際は、大学院の入学考査に合格後、進学することが可能です。

学会、研究会など(国内学会、国際学会)

日本耳鼻咽喉科学会、日本聴覚医学会、日本めまい平衡医学会、日本耳科学会、日本鼻科学会、日本気管食道科学会、日本頭頸部癌学会、日本音声言語医学会、日本顔面神経研究会、日本耳鼻咽喉科感染症・エアロゾル学会、日本小児耳鼻咽喉科学会、耳鼻咽喉科臨床学会、日本耳鼻咽喉科 免疫アレルギー学会、日本口腔・咽頭科学会、日本喉頭科学会、日本頭頸部外科学会、日本嚥下医学会

進路

専門取得後は専門および研究領域を選択し、耳鼻咽喉科領域の専門性を高める。
また、勤務医として各関連病院にて地域医療に携わり、貢献する。

ホームページ・資料請求・問合せ先

聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科学教室
〒216-8511川崎市宮前区管生2-16-1
TEL:044-977-8111(内線:3261)
FAX:044-976-8748
医局長 三上公志

・問い合わせ先および提出先:
〒216-8511 神奈川県川崎市宮前区菅生2-16-1
聖マリアンナ医科大学 耳鼻咽喉科
電話:044-977-8111(代)
Fax:044-946-8748
E-mail:jibi@marianna-u.ac.jp

HP:http://www.marianna-u.ac.jp/ent/index.html
FaceBook:https://www.facebook.com/ent.marianna