消化器・肝臓内科2

その他

当科の大きな特徴のひとつとして「専門的技術」と「内科的診療」の両立を求められることがあります。

技術の習得に関連して、消化器内科領域の大きな特徴は、扱う臓器の数にあります。診療範囲は、上・下部消化管、肝臓、胆道、膵臓にわたります。それぞれの臓器の疾患を診断するために特徴的な検査が存在します。実際の診療に際しては、消化器のみならず、他科の疾病に関連する症状、所見にも数多く出会います。消化器疾患の診断のみならず、他領域との関連性も的確に診断しなくてはなりません。

さらに、この検査技術を基礎に、高度な治療技術を習得する必要があります。治療に関しては、穿刺、切開を伴う侵襲的な治療以外に、薬物療法を主体とする内科的治療も重要です。外科や放射線科などとも緊密な連携をとって治療計画を策定する必要のあることも多々あります。

治療方針の決定や、他科コンサルトのタイミングなど適切な臨床判断のため、幅広い知識に基づく病態、治療法についての理解と臨床経験が必要とされます。加えて、消化器内科領域は、癌を含む様々な疾患の終末期に立ち会う機会も多い領域ですので、患者さんの痛みに対するケアや、ご家族も含めた精神的、社会的な配慮についても経験を積む必要があります。

実際の専門教育は技術の習得と内科的診療が表裏一体となって行われるべきものです。私達は、この二つを共に高めるため、高い技術を身につける環境と、多角的な視点からオープンな議論ができる環境の両方を提供します。

内科専修生の研修全般について

内科専修生の主たる仕事場は病棟および検査室です。当科病棟診療班は消化管,肝臓,胆膵グループに区分されており、グループ長が主治医となり,内科専修生はその指導のもとで受け持ち医となります。

消化器・肝臓内科以外の専門医を目指す内科専修生の研修

一般目標 (GIO)

消化管や肝・胆・膵疾患を有する患者を受け持ち医としての立場でたずさわり、その疾患の病態を把握するために、適切な検査を計画し、診断出来る能力や適切な治療の選択および合併症に対応できる能力を習得します。また全身疾患と消化器疾患との関連病態を把握し診断する能力を習得します。臨床の現場では、上級医師やコメデイカルなどと連携し、思考・判断力を培い、常に自己評価し、他者の評価を真摯に受け入れ自己の思考過程を軌道修正する態度を身につけます。

行動目標 (SBOs)

1) 消化管の代表的な疾患である消化性潰瘍や慢性腸疾患(IBD)、上部消化管ならびに下部消化管の悪性疾患や肝・胆・膵の代表的な疾患である急性・慢性肝炎、肝硬変、胆道結石、急性・慢性膵炎ならびに肝・胆・膵の悪性疾患を受け持ち初期対応も含め、治療の全体像が理解できる。
2) 消化管、肝・胆・膵疾患を受け持ち、カンファレンスなどでプレゼンテーションし、疾患の診断や治療の方針を決定する能力を身につける。
3) 消化管ならびに肝・胆・膵疾患の専門的な治療の介助を経験する。
4) 一般医としても重要な画像検査をカンファレンスなどで上級医師とデイスカッションし読影する能力を身につける。
5) 受け持った患者について上級医師やコメデイカルとコミュニケーションをよくとり、互いにデイスカッションし、共通の意識で診断・治療に臨む。
6) 患者および家族の状況を把握し、個々に対して最も適した治療を選択し、説明および実施することができる。

消化病専門医を目指す内科専修生のための研修

今年度からの内科研修プログラムの変更は新内科専門医制度への対応も念頭に置いているため、はじめの2年は多摩内科、救命センター、その他内科の各専門講座などをローテーションすることになります。その間に単科に所属できるのは最長4ヶ月ですが、1,2年目においてもローテーション先として内視鏡センター、超音波センターなどを選択することによりそれらの技術の基礎を収得することができます。後期研修3年目からは、当科の各診療グループに一定期間ずつ専属して、専門的治療・検査技術を習得し、緊急処置などに自ら携わることになります。
内科専修生の期間に習得すべき技能としては、上部消化管内視鏡検査の介助ならびに基本的操作法の実施、下部消化管内視鏡検査の介助ならびに操作法の習得、ERCPの介助ならびに操作法の習得、腹部超音波検査の基本的操作法の実施と読影、消化管造影検査、腹部CT、MRI等の画像診断の読影が専門医を目指す上で重要と考えます。
また冒頭で述べたように、扱う臓器が広範囲におよぶため、日本肝臓学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医や胃腸科認定医など、高い専門性を追求した資格があります。これらを取得し、先進的高度医療や特殊医療を遂行する能力を備えるためには、消化管部門、肝臓部門、胆・膵部門を選択し、専門技術を取得することが望ましいと考えます。
また当科として務めていることは、女性医師が専門的技能を生かせる仕事と、結婚・子育てとを両立できる体制の確立です。現在は2名の女性医師が短時間勤務のスタッフとして外来診療と内視鏡検査・処置を主体に行っています。

*専門医/認定医取得について
現在、消化器関連の専門医取得は日本内科学会が定めた認定内科医の資格取得を前提とする二階建て方式です。今後、新内科専門医制度にともない、内科専門医資格の保有が必要となる可能性が高いと考えられます。以下に当講座所属員の多くが取得する専門医資格を挙げます。
1)日本消化器病学会専門医:日本内科学会認定内科医の資格取得に必要な所定の内科臨床研修終了の後、日本消化器病学会が認定した認定施設もしくは関連施設において日本消化器病学会が定めた研修カリキュラムによる3年以上の消化器臨床研修が必要で、申請時に認定内科医の資格が必要。
2)日本肝臓学会専門医:2年間の一般研修を終了後、日本肝臓学会または日本消化器病学会の認定施設における5年以上の肝臓病学の臨床研修が必要。申請に際しては認定内科医の資格を有することが必要。
3)日本消化器内視鏡学会専門医:指導施設における5年以上の研修と上部消化管内視鏡検査1000例以上、下部消化管内視鏡検査100例以上、治療内視鏡20例以上の経験が必要で、専門医資格申請時には認定内科医の資格が必要。

*消化器・肝臓内科研修の場
消化器・肝臓内科を希望する内科専修生は、原則として、大学病院、横浜市西部病院、川崎市立多摩病院のいずれかで研修を行います。いずれの施設も消化器病の専門医取得のための指定研修施設であり、各領域を専門的に指導できるスタッフがいます。

週間予定(大学本院の例)

時間

7:45

消化管週間Conference

消化管病理Conference

肝臓班入院症例

Conference

8:30

肝胆膵

Conference

消化管

肝胆膵Conference

消化管

肝胆膵

Conference

消化管

肝胆膵

Conference

消化管

肝胆膵

Conference

消化管

肝胆膵Conference

9:00

病棟業務

検査

病棟業務

検査

病棟業務

検査

病棟業務

検査

病棟業務

検査

病棟業務検査

13:00

16:30

新患

Conference

IVR Conference

肝臓班

症例検討

1700

部長回診

肝胆膵回診

拡大内視鏡

Conference

18:00

症例検討会

肝胆膵週間

Conference

肝癌Conference

内科、外科、放科、月2

(平日週1日は外勤日)

楽しく有意義な研修となること請合いです。お待ちしています。