代謝・内分泌内科

後期研修プログラム



診療部長 曽根 正勝

理念・特徴

理念

内分泌代謝系は全身のホメオスタシスを制御する人体に不可欠なシステムであり、その乱れは種々の病気を引き起こします。糖尿病や肥満などに代表される代謝障害は、今や全ての国民がその対策を必要とする「国民病」と認識されるほどの喫緊の社会問題に発展しています。また、下垂体、甲状腺、副腎などの内分泌臓器の異常は全身に様々な症状を引き起こし、多くの難病の原因となります。当科は、医療の介入が必要な症例は元より健常者も含めた地域社会に貢献するために、生活習慣および内分泌領域に関するopinion leaderの育成を目標としており、それに必要な最先端の情報を発信すべく先進的な研究を行っています。

特徴

当院の代謝・内分泌内科専門病棟は全35床を占め,様々な疾患を合併した治療困難な糖尿病症例や病態解明に難渋し周辺医療機関から紹介された内分泌症例が集まります。そのため担当医は日々最先端の専門的知識が要求され、幅広い応用力が鍛練されています。当科の研修では全身的・系統的疾患である代謝および内分泌疾患を多数経験することにより,おのずと内科疾患群の網羅が不可欠となり、内科および周辺疾患全般の知識が必要に迫られ身に付くこととなるのです。
<専門医>
当科は日本糖尿病学会、日本内分泌学会の認定教育施設です。当科では日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医の取得が可能です。代謝内分泌領域の稀な病態を経験することも多く、卒後4年目前後より外来診療にも携わることからも、専門医認定のためのバックアップ体制に万全を期しています。
1)日本糖尿病学会
専門医申請書類は,10症例の症例報告と申請時に診療中である30症例のショートサマリーを必要とし,糖尿病領域から幅広く症例を選択する必要があります。当科は豊富な症例数で専門医申請時に必要な症例は十二分に経験できます。試験内容は筆記および面接試験です。
2)日本内分泌学会
専門医申請書類は,30症例以上の病歴と臨床経過要約を必要とし,内分泌代謝領域から幅広く症例を選択する必要があります。試験内容は筆記試験のみです。
<学会、研究会など(国内学会、国際学会)>
日本糖尿病学会、日本内分泌学会、日本糖尿病合併症学会、日本内科学会、アジア糖尿病学会(AASD)、米国糖尿病学会(ADA)、ヨーロッパ糖尿病学会(EASD)国際糖尿病連合(IDF)など

<教育活動>
入院患者の診療にあたっては、上級医師および初期臨床研修医(不定期)と診療チームを形成し日々の臨床にあたります。初期研修医と共に診療し、指導にあたる事で自らも高めることができる上、上級医師によるバックアップ体制も整っております。受持症例の評価や治療方針は、毎週火曜日の教授回診と週2回の症例カンファレンスによりbrush upが行われ、標準治療と先端知識を獲得し当科分野全般をカバーします。また、他科から当科宛に依頼される診療依頼は、別途病棟医で形成する他科回診チームで対応し、最低2回/週の回診を行い、併診します。この他科回診では、他科疾患の基本的知識が求められる上に、基礎疾患治療を優先した血糖コントロールを行う症例や、基礎疾患に合併した内分泌疾患など様々な病態に臨機応変に対応できる能力が培われます。
当科は、ざっくばらんをモットーに、医師同士、他職種とも和気あいあい、探求心に忠実で、互いを高め合えるような、自由な診療環境を整えています。将来目標とする医師像に到達する上で、当科での後期臨床研修は最も効率の良い選択になると思います。

研修病院

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院、聖マリアンナ医科大学東横病院、川崎市立多摩病院

プログラム統括責任者、指導医

当科での後期臨床研修により代謝および内分泌疾患を網羅的に経験し、糖尿病・肥満・脂質異常症・甲状腺疾患・下垂体疾患・副腎疾患については他科医師への助言も行える臨床的知識・技能を身につけることができます。生活習慣病の予防や治療のために患者およびその家族・医療スタッフ・担当医・専門医の間で情報を共有し連携を図ることから、社会全体に対する医療の役割を実感し、将来いかなる臨床医もしくは研究者となるにも有益な研修期間を経験することができます。また日本糖尿病学会、日本内分泌学会の認定専門医資格を得ることを目標とし、更なる専門領域を探究することができます。
定員数:助教以上  16
関連施設病院: 3
総合内科専門医・指導医:7
糖尿病学会専門医:12
内分泌・代謝科専門医:9

ローテーションプログラム例

実際のプログラムでは、後期研修では内科専門医コースでそれぞれ個人の先生方にとって経験が不足している症例を2年間のうちに内科をローテーションして経験します。内科専門医を取得すべき経験をできた場合、内科専門医を受けて頂き、その後当科のサブスペシャルティーの分野でもある糖尿病専門医、内分泌代謝専門医の資格を取得することができます。専門研修においては当科の指導医が親身な指導を行っていきます。また大学院に入学を希望する方は、大学院コースへの進学も可能です。

行動目標

1)学会への入会とともに学会報告、論文発表を定期的に行い、自らの意見や解釈を説明できる。
2)当科では常に多数の臨床研究が同時進行しているため、臨床業務に従事する中で同時に共同研究者として活躍し、最先端の専門情報を共有する。
3)糖尿病の運動・食事療法、薬物治療およびインスリン治療について学び、さらに、持続血糖モニターシステム(Continuous glucose monitoring system: CGM)、 持続皮下インスリン注入療法(continuous subcutaneous insulin infusion:CSII)、両者を組み合わせSAP(sensor augmented pump)、近年開発されたFGM(flush glucose monitoring)など、高度な糖尿病の管理・治療技能を習得し、新たな情報、エビデンスを自ら発信する。
4)甲状腺・下垂体・副腎などの内分泌疾患のホルモンの動態と病態生理を理解し、機能確認検査を含む系統的な診断手法を習得し、新たな情報、エビデンスを自ら発信する。
5)外来診療担当枠の調整がつき次第定期外来担当医として外来診療に従事し、入院加療後の長期療養計画への参画および一般的外来診療テクニックを獲得する。

<修了基準および修了判定>
内科専門研修カリキュラムの「代謝」、「内分泌」の2つに関し、内科専門研修カリキュラムの到達レベルに沿い評価を行います。内科専攻研修において求められる「疾患群」、「症例数」、「病歴提出数」ですが、「代謝」5疾患、「内分泌」4疾患経験することが修了基準になります。

診療実績

代謝・内分泌内科では、糖尿病・脂質異常症・肥満症・骨代謝疾患などの代謝・栄養疾患、下垂体・甲状腺・副甲状腺・副腎・性腺などの内分泌疾患の診断および治療を行っています。
糖尿病センターでは、医師、看護師、薬剤師、栄養士、運動療法指導士によるチーム医療体制により、糖尿病教育入院、合併症を評価する糖尿病合併症ドック入院、さらには妊娠糖尿病入院も行っています。他科と連携し各種の機器を使用して糖尿病合併症の評価を行い、病状に合わせた最新の治療を提供しています。とくに持続皮下インスリン注入療法(C S I I )の導入では、自律神経機能を加味した先進の治療法を行っています。内分泌疾患については経験豊富な専門医による身体診察、ホルモン負荷試験、画像検査、副腎静脈・海綿静脈洞サンプリング等を実施して的確な診断と専門的な治療を行っています。特に副腎腫瘍を中心とする二次性高血圧の鑑別に精力的に取り組んでおり、本邦のガイドラインの作成などに携わっています。また、甲状腺疾患、下垂体疾患、多発性内分泌腫瘍症(MEN)、フォン・ヒッペル・リンドウ病(VHL)などの稀少疾患についても豊富な診療経験を有しています。そして最適な治療法決定のため各診療科と連携し、集学的な診断・治療を行っています。昨年度の入院実績は糖尿病関連が400例以上、副腎疾患が120例以上、下垂体疾患は30例以上、甲状腺・副甲状腺・性腺疾患は13例です。

<取り扱っている主な疾患>
糖尿病(1型糖尿病、2型糖尿病、その他の特定の機序・疾患による糖尿病、妊娠糖尿病)
脂質異常症(家族性含む)
骨代謝疾患(骨粗鬆症、骨軟化症、原発性副甲状腺機能亢進症など)
甲状腺中毒症(バセドウ病、破壊性甲状腺炎(亜急性甲状腺炎・無痛性甲状腺炎など)、機能性甲状腺結節)
甲状腺機能低下症(橋本病、薬剤性など)
副腎腫瘍(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、副腎癌など)
副腎不全(アジソン病など)
下垂体腫瘍(先端巨大症、プロラクチノーマ、クッシング病など)
視床下部・下垂体機能低下症(下垂体炎、続発性含む)
その他の内分泌代謝疾患(多発性内分泌腫瘍症(MEN)、フォン・ヒッペル・リンドウ病(VHL)など)

ホームページ・資料請求・問合せ先

代謝・内分泌内科医局(内線3149)
http://www.marianna-u.ac.jp/taisya/